2023年12月26日に、中部大学中部高等学術研究所国際ESD・SDGsセンターの古澤礼太准教授と三重GPNの事務局メンバー等とで三重流域圏SDGs評価モデル(中部大学デジタルアース共同利用共同研究)及び三重GPNの活動に伴う持続可能な開発目標(SDGs)の指標化についてワークショップを行いました。

 まず、古澤礼太准教授による、三重県の流域圏、特に、櫛田川流域圏における自然環境及び人文社会環境のデータに基づく地理情報システム(GIS)を用いた、流域圏SDGs評価モデルについて研究発表が行われました。SDGsの達成度を評価するためのSDGs指標(グローバル指標)は、ステークホルダーの活動の指針として利活用可能であり、各種のガバナンスにおいても重要な役割が期待される一方で、地域のステークホルダーにとって、ローカルなSDGs活動の達成度理解を促進し、活動の発展に寄与するツールとは成り得ていない課題があり、その解決策として、櫛田川湾流域圏におけるSDGsのローカル指標の設定とその活用によるSDGs活動の推進手法を検討して得られた研究成果が発表されました。今後、櫛田川流域圏のSDGs課題を水問題に絞り、直接的な水課題である「水と環境;利水・治水」「水と生業;一次産業の農林水産業」「水と文化;まちづくり・観光・伝統知」をテーマに、SDGsのローカル指標を検討することが紹介されました。

 続いて、三重GPNの事務局メンバーによる研究成果の発表が行われました。陶 鋭意さんからは、1960年代の四日市コンビナートからの大気汚染による四日市公害と2000年代の中国天津の工業地域からの大気汚染の経年変化、環境政策による環境改善などに関する研究発表が行われました。安部大樹さんからは、三重県のバイオマス資源の現状、課題について発表が行われ、三重県の森林資源と再生可能エネルギーの展望などについて研究発表が行われました。小西 凌さんからは、家族構成と学習に関する統計資料に基づく、家族構成と子供の学習には密接な関係性があると社会教育学的研究発表が行われました。

 最後に、朴 恵淑三重GPN代表幹事からは、三重GPNの設立から今日に至る諸過程において、成果と課題について説明が行われ、三重流域圏SDGs評価モデルの構築・運営と三重GPNの活動の発展的展開のためのWin- Winの連携の提案が出されました。その第1歩として、研究チームに、三重GPNの事務局メンバーが加わり、次世代人材育成の教育・持続可能な地域づくり・産官学民の協働のあり方などを踏まえた、SDGsのローカル指標化を検討することとなりました。