2023年10月4日に、リコージャパン株式会社三重支社の呼びかけによって四日市市周辺の企業8社との共同でSDGs研究会を開催し、リコージャパン(株)・太陽化学(株)・(株)グリーンズ・キオクシア・ミライスホールディングス(株)・河村産業(株)・マツオカ建機(株)・(株)デンソートリムが参加しました。

第1部では、朴 恵淑「三重GPN」代表幹事(会長)が、SDGsについて講演会を行いました。2015年9月の国連持続可能な開発サミットにおいて採択された「国連持続可能な開発目標(SDGs; Sustainable Development Goals)」は、2000年のミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、17の目標と169のターゲットとなっており、2030年までに全世界の国・地域における全てのステークホルダーの協働によって達成すべき最優先アジェンダとなっている。SDGsは、「誰一人取り残さない(No one will be left behind)」を理念として、持続可能な社会を実現するための重要な指針となり、行政・企業・アカデミア・市民など全てのステークホルダーが連携するグローバル・パートナーシップが求められている。SDGsは、持続可能な開発の重要な要素として、5つのP、「人間;People」・「地球;Planet」・「繁栄;Prosperity」・「平和;Peace」・「パートナーシップ;Partnership」を挙げていることを語りました。

特に、地球温暖化対策は、SDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」に掲げられ、目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」が主政策となっている。また、SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」、目標11「住み続けられるまちつくりを」、目標12「つくる責任つかう責任」、目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」など、SDGsの17の目標を達成するためには、大学と企業とのパートナーシップによる協働事業、特に、「エネルギー環境教育」は、21世紀最大の環境問題である地球温暖化対策の主軸となるエネルギー政策において、創エネ・蓄エネ・省エネを担う次世代の人材育成において、最も期待できる取り組みであることを強調しました。

第2部では、参加している各企業からの環境・SDGs・脱炭素(カーボンニュートラル)社会創生に向けた取り組みが紹介され、成果と課題に関する質疑と応答の時間となりました。朴 恵淑「三重GPN」代表幹事(会長)は、参加された8企業への最も重要なキーワードとして、2011年にハーバード大学ビジネススクールのマイケル・E・ポーター教授によって提唱された「CSV (Creating Shared Value)」を取り上げました。共通価値・共有価値と訳されるCSVは、企業にとって負担になるものではなく、社会的な課題を自社の強みで解決することで、企業の持続的な成長へと繋げる、より積極的で戦略的な概念であり、SDGsのすべての目標の達成に繋がる企業の社会的責任を果たすための最も有効なツールとなることを語り、今回のSDGs研究会に参加している8社は、SDGsの成功事例をあげることで、SDGsのトップランナーとして、三重県や日本はもとより、世界をリードする企業としてさらなる発展的展開が期待できると力説しました。

第3部では、「三重GPN」事務局メンバーがファシリテーターをつとめるワールドカフェ形式のワークショップを行いました。特に、SDGs、カーボンニュートラルについては、自社での取り組みは分かっているものの他社での取り組みについてより多くの情報が入手できるプラットフォームがあれば大変助かる、若者と様々な意見交換を行えるこのような機会をより多く設けて欲しい、より積極的な情報発信を行いたいなど、積極的で前向きな意見が多く出されました。

その後、行われたアンケートにおいても、今回、初めてのSDGs研究会を通じて普段気づいていなかった諸事象に気づくことができ、大変勉強になったので、継続して開催して欲しいなど、肯定的な意見が多く出されたことから、2024年度においても、継続してSDGs研究会を行うこととなりました。